【技術情報】頑丈設計(3):フローティング構造と落下試験

レッツ1号2号こんにんちは。レッツ1号です。

さて今日も、松下電器ITプロダクツ事業部のモリグチさんのインタビューの続きです。

   ★   ★   ★   ★   ★

■フローティング構造

モリグチモリグチ:レッツノートは頑丈設計の一環として、
基板の取り付け方にも工夫をしています。

レッツ1号:しっかり取り付ける、ということではないのですか?

モリグチ:逆です。基板をネジで四隅を固定すると、外からボディに圧力がかかるとボディが変形し、それにつれて固定されている基板にも衝撃や圧力が伝わり、破損したり変形しやすくなります。
でも、中の基板が浮いた状態になっていれば、力がかかってボディが変形しても、基板は影響を受けずにすみます。このように、基板を浮かして支える構造=フローティング構造を施しています。

レッツ1号:基板はどのようにして支えているのですか?

モリグチ:キャビネットに基板を固定しているのは、ネジ1点だけです。
従来であれば、基板の四隅を上下どちらかのキャビネットにネシで固定し、上と下のキャビネットで挟んで、基板とキャビネットをしっかり固定していました。
フローティング構造では、隅の1点だけをネジ止めし、あとはキャビネットから浮いた状態にしています。上下のキャビネットをとめるネジは、基板にあけた「穴」を通して締められているので、基板の中央部とキャビネットは固定されていない=浮いているのです。
これまでもCPU部分だけはフローティング構造にしていたのですが、今回は重要な部材はすべてフローティングにし、仮に外から押さえつけられてキャビネットが少々変形しても、影響が及ばないようにしています。


外のボディ(空色)が変形しても、
中の基板(緑色)には影響がおよびません。


■落下実験について

レッツ1号:カタログでもうたっている落下試験ですが、実際は何回落とすんでしたっけ?

モリグチ:26方向×1回です。

レッツ1号:26方向ってどういう計算なんですか?

モリグチ:26方向は面(6)に、辺(12)に角(8)をカウントした数で、アメリカ国防省の基準(MIL: Military Specifications and Standards)に準じています。ノートパソコンのような直方体のものは26方向と決められていて、各方向1回ずつ落下させます。


自由落下試験(角から落としているところ)。
動画は こちら でご覧いただけます。


レッツ1号:何回も落とすのですね。

モリグチ:パラメータを蓄積するために、1機種開発するごとに、1000回以上は落としています。累積すると、すごい回数を落としていることになりますね。

レッツ1号:よく重力がかかるときにGとかいいますけど、レッツノートは何Gまで耐えられるんですか?

モリグチ:F1レーサーの首にxxGの力がかかる、とかジェットコースターでxxGといいますが、日常生活でどのくらいの力がかかるか想像がつかないですよね。そこで、レッツノートを日常使用する場合のG値を想定し、計ったことがあります。
機嫌の悪いときに液晶を思いっきり閉じたとき、机の上に放り投げたときとかね。たとえば、肩掛けのカバン(腰の高さ)にPCを入れていてタイル貼りの床に落とした時は、落下試験で10cm高さから落とした場合のG値とほぼ同じなんですね。
レッツノートは、700GくらいHDDにかかっても大丈夫、という頑丈さを実現しています。

レッツ1号:動作時に落とした場合はどうでしょう?

モリグチ:動作時落下については以前から試験は繰り返しているんですよ。
今回は、動作中の耐衝撃性能(緩衝性能)のレベルを上げ、W4とT4では動作時でも10cmの落下試験クリアすることができました。

   ★   ★   ★   ★   ★

明日は頑丈設計編の最終回。HDDの保護についてです。

●頑丈設計については、PCサイトのレッツノートの頑丈(タフ)設計もご覧ください。

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